一人勝ちの小泉
私はわざとこの事を書くのを遅くした。小泉旋風に巻かれて騒ぎ立っている世の中を冷静に見極めるためだ。今回の選挙はいわば、小泉の一人勝ちの構図だ。個人的には改革が行われることには賛成だがリスクも伴う。そこら辺を考えてみよう。
今回の選挙で国民は何を望んでいたのか?---それはホリエモンも主張した「改革」の2文字に尽きると私は思う。年金問題や社会保険庁、日本道路公団のカネの無駄遣いなどにより、国民にはこのままではいけないという危機感や国に対する不信感があったと思う。それに、旧国鉄と旧電電公社の民営化の先例もあり、そういう所から郵政の民営化に賛成した人が多いのではないかと私は思う。しかし、「郵政民営化だけ=改革」では無いはずなのに、どこかそういう方向に今回の選挙は持っていかれてしまった気がする。郵政民営化のみに焦点を絞って、よく言えば国民に分かりやすく、悪く言えば薄っぺらい主張で圧勝できたのはなぜだろうか?そこには小泉総裁のキャラクターとマスメディア戦略があったと考える。今までに居ない髪型強そうな態度口ぶりで一見、首尾一貫していて自分の信念を貫いているライオンのように見える小泉。かたや地味で真面目に「日本をあきらめない」というネガティブにも取れる主張をした岡田さん。どう考えても小泉が勝つに決まっている。それは現代の政治が政策内容よりもマスメディアを使ったパフォーマンス戦略で決まってしまうからに他ならない。今の時代、真面目は流行らない。岡田さんには同情したくもなるが、あれでは負けてしまって当然なんだ・・・。あんなに一生懸命やってる人が居るのに何もしないで当選した人がいる。自民党の比例区の話だ。あれはシステム的におかしくないか?何もしないで当選するなんて。そんな馬鹿な話があってたまるか。あと、小選挙区だって僅差でも多い方の一人のみが勝者となるので、投票総数で言えば、自民党が圧勝なのではない。なのに、自民党はまるで国民全員(そんなことはありえないが)の民意であるかのような話し方をしている。それが私は気にくわないし、今回勝ったのは自民党ではない。小泉純一郎が勝ったのだと私は思う。言わば、小泉は時の人だ。今の時代にJust Meetした、時代の申し子だ。しかし、僕の目から見れば、彼はあまりに自分勝手ではないだろうか?今回の選挙で自分の邪魔になる奴は切り捨てて、自分に賛成してくれる人だけを自民党に残した訳だ。確かに自民党はぶっ壊して見せたかもしれないが、後にできたのは小泉党だ。新人議員は無派閥だって実質は小泉派ではなかろうか?しかも、もし小泉に逆らう様な態度をとれば切り捨て御免を食らってしまうので、みんな小泉には逆らえない。これで晴れて小泉独裁政権が成立したってことだ。小泉政権になってから確かに良い事もあった。コクド会長の逮捕、橋本首相の一億円献金疑惑。道路公団理事の逮捕。談合の件。今までなされてこなかった部分に切り込んだ。昔の派閥も一応解体された。そういう所はいい所だ。リスクは2つ。小泉が右翼的傾向を持っていること。それと、絶対安定多数を持っているということ。衆議院で3分の2以上の議席を与えてしまった国民の責任は大きい。もし、小泉独裁政権が暴走した時は、マスメディアに騙されて支持してしまった事を悔やむしかない。どれもこれも小泉さんの政策次第。さぁ、実力を見せてもらおうか?あれだけ改革改革と叫んだ成果を見せてくれよ。