The photograph which is analog
都会に住んでいると風景が変わるのが早い。しばらく行っていないと、もう知らない店に変わっていたり、知らないうちに家ができていたりする。そんな時は、なんとも言えない寂しさを感じる。これが僕の田舎か、と。そんな不確かな世界に生きているからか、僕は最近写真を撮ることをおぼえた。出掛ける時は必ずカメラを持っていく。何気ない風景をなんとなく撮りたくなる時がある。シャッターを切ることを頭に置いて町を歩くと、不思議といつもと違った視点で風景を見ることができ、気が付かなかった事にも気付く。そんな所が面白い。最近リコーから僕の使っているカメラのデジタル版が発売された。それを見て、僕のカメラがとても良いカメラである事を知った。僕の使えるカメラは3つある。1つは、携帯のカメラ。2つ目はカシオのEX-Z40、デジカメだ。そして3つ目は、おじいちゃんにもらったリコーのGR-1。少々高いカメラだとは聞いていたが、僕の思っていたより良いカメラらしい。どうりで、素人の僕でもたまにベストショットが撮れる訳だ。今は豚に真珠にならないように頑張っている。GR-1は28mm広角カメラでズームができないのが難点だが、逆をつけば僕の見ているモノ、視点そのままを全体的に撮ることができる。僕の思い出を残すツールだ。デジカメを買った当初は、デジカメをよく使っていたが、今はメインでは使っていない。確かにデジカメは便利だ。撮った写真をすぐに見れるし、いらなかったらすぐ消せる。おまけにパソコンで修正すれば、失敗のない写真になる。でも、僕は特別な時以外デジカメは使わない。すぐに消せてしまう便利さが心配だからだ。思い出が一瞬のうちに消えてしまう危険性を僕は恐れる。デジカメの写真を保存するメモリーカード、CD-ROM、DVD、HDD、どれも大容量ゆえエラーしたりクラッシュすると、一度に消える思い出は多い。枚数が多いので、全てプリントする訳にも行かない。その点、アナログの方が安心な気がする。写真は大切だ。あいまいだったり、忘れてしまうような不確かな人間の記憶より、百聞は一見にしかず。その一瞬を切り取った写真は、いつでも真実を語ってくれる。それが写真のいい所だ。データが消えない限りはね。
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